いよいよ、バラトン最大の景勝地 Káli-medence (カーリ・メデンツェ)に向かう。
メデンツェとはハンガリー語で盆地と訳せば良いであろう。
確かに四方を山々に囲まれた窪んだ一画である。
カーリの語源は判らないが、多分、命名者の名前ではなかろうか。
最初に行く場所のKővágóörs (クーヴァゴーウルシ)はカーリ・メデンツェで最も大きな村落である。
この村を取り囲む大自然の中で、廃墟化した12~13世紀の建造物(教会)に出会うと、
ノスタルジックな気持ちに誘われる。
Ecsér (エチェール)平原の中に廃墟として残されたこの教会は、12~13世紀に
ロマネスク様式で建立され、その後14~15世紀に拡張されたが、オスマントルコ軍
によって破壊されたまま、今日に至っている。
Monoszló (モノスロー)の教会は、13世紀にオリジナルの教会はロマネスク様式で建てられ、
その後1829年に後期バロック様式で再建されたカルビン派 (Református)教会である。
特徴的な十字架を付けた塔は14世紀の初めに建てられ、教会で最も美しい部分であるゴシック様式
の南門は1978年に増築されたものである。
19世紀に20年間かけて教会内部の聖歌隊席とチェコ風の丸天井は復元され今日に至る。
Veszprem (ベスピレム)教会の支部の一つとして、1780年頃に後期バロック様式
で建てられた。 当初、ルター派の教会であったが、Padanyi Biro Marton 司教の
時代にカトリック教徒の所有となった。
教会の誇る物としては、Johann Ignaz Cimbal によって描かれた祭壇にある聖母
マリアの絵である。
上記のローマンカトリック教会に隣接した場所に、1264年に、プロテスタント教会
として建てられ、トルコ軍に破壊され後、一時廃墟になっていたが、1750年に
ルター派のカトリック教徒の為にバロック様式で再建された。
Kővágóörs(クーヴァゴーウルシ)村の中心部に、Nagyboldogasszony(聖母マリア)
を祀り、1773年に後期バロック様式で建てられた。